英語が必要な仕事の求人検索をしていると、「日常会話レベルの英会話力がある人を求めます」という条件を見ることがあります。
ですが、どのくらい英語が話せたら「日常会話レベル」に到達したといっていいのでしょうか?
「日常会話レベルになるまでにかかる時間」や、「英語が話せるようになる勉強方法」について気になる方もいると思います。
そこで、本記事では下記の疑問にお答えします。
・日常会話レベルはどれくらいなのか
・日常会話レベルになるまでにかかる時間
・日常会話レベルに必要な文法・語彙数
・必要な勉強方法
以下の経験を持つ私が解説します!
・1年で英語を話せるようになった
・留学無しで英語を話せるようになった
・飽きっぽい性格でも英語学習を1年継続できた
今は全く話せないという方も、学習を継続すれば英会話に自信が持てるようになるはずです。
もくじ
英語の「日常会話レベル」に明確な定義は無い
「どの程度話せれば日常会話レベルと言えるのか」を説明できる人は少ないです。
結論からいうと、日常会話レベル話せているかどうかは、個人の感覚によって決まります。明確な線引きはできません。
自分で「コミュニケーションに困ることは無い」と感じたら、日常会話レベルと言って問題ないです。
ですが、「目安としてでも明確な線引きができるものを知りたい」という方のために、日常会話レベルに該当する英語資格を調べてみました。
日常会話レベルは下記の通り
日常会話レベルに該当する英語資格
・CEFR(セファール):B1レベル
・TOEIC:470点~
・英検:準2級
感覚的な話
「コミュニケーションに困ることが無い」と感じるくらい
日常会話レベルに該当する英語資格
日常会話レベルに該当する英語資格を解説します。
以下の資格は、日常会話レベルの英語力に該当します。
以上の資格は日常会話レベルを想定したものですが、お話しした通り、日常会話レベルに明確な線引きはできません。これらの資格は、あくまでも参考程度にしてください。
CEFR(セファール)B1レベル
CEFR は、“Common European Framework of Reference for Languages”の略称で、日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」と訳されます。
言語をどの程度習得したかが分かる指標で、ヨーロッパ圏ではよく使われています。
A1からC2までのレベルがあり、Aは初級、Bは中級、Cは上級となっています。
そのなかで、日常会話レベルに当たるのはB1レベルだと考えられます。
CEFRの公式文書に、B1レベルの会話力について下記の記述があります。
(Spoken Interaction)
I can deal with most situations likely to arise whilst travelling in an area where the language is spoken. I can enter unprepared into conversation on topics that are familiar, of personal interest or pertinent to everyday life (e.g family, hobbies, work, travel and current events).
https://rm.coe.int/168045b15e
(会話での交流)
その言語が話されている地域で、旅行中に起きるであろうほとんどの状況に対処できる。身近な話題、関心のある話題、日常生活の話題(家族、趣味、仕事、旅行、時事問題)について、事前準備なしで参加できる。
上記の記述から、B1レベルは日常会話レベルに当たるといえます。
ケンブリッジ英語検定を受けると、CEFRの正確なレベルが分かります。
TOEIC:470点~
TOEICでは470点以上が日常会話レベルに該当。
公式のレベル表には、470点のレベルについて、以下のことが示されています。
470点
日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる。
通常会話であれば、要点を理解し、応答にも支障はない。複雑な場面における的確な対応や意思疎通になると、巧拙の差が見られる。
基本的な文法・構文は身についており、表現力の不足はあっても、ともかく自己の意思を伝える語彙を備えている。
※巧拙(こうせつ):たくみなことと、つたないこと
引用:https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/lr/pdf/proficiency.pdf
上記の記述から、TOEICでは470点が日常会話レベルにあると考えられます。
英検準2級
英検では、準2級が日常会話レベルといえます。
公式サイトには、英検準2級のレベルに関して、下記の記述があります。
程度
日常生活に必要な英語を理解し、また使用することができる。審査領域
引用:https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/criteria/
読む:日常生活の話題に関する文章を理解することができる。
聞く:日常生活の話題に関する内容を理解することができる。
話す:日常生活の話題についてやりとりすることができる。
書く:日常生活の話題について書くことができる。
日常生活の話題に関して多く出題されるようです。
上記の記述から、英検準2級は日常会話レベルに当たる資格といえます。
【感覚的な話】資格はあくまでも目安。話せていると思えば日常会話レベルに達しているといってもいい。
日常会話レベルに該当する資格を紹介しましたが、結局のところ、自分で話せていると思えば「日常会話レベルに達した」と考えて大丈夫です。
英会話力に明確な線引きは不可能。
資格による分類は、あくまで目安です。
特に、TOEICなどスピーキングテストがない試験の場合、高得点でも日常会話レベルの英語は話せないという人は多くいます。
日常会話レベルは、コミュニケーションに困ることはないぐらいのレベルとも言えます。
日常会話レベルになるまでの時間は半年~1年
日常会話レベルを話せるようになるには、半年~1年かかります。
私自身の体験を紹介します。
英会話学習をはじめる前の英会話力は、下記のような感じ。
英会話学習をはじめたばかりの頃は、「本当に話せるようになるのかな」と不安でした。
ですが、学習を継続することによって、下記のような成長が!
3か月で:「I like apples.」などの、簡単な英語が話せるようになった。
半年で:「I like to play tennis. So I do that everyday.」など、少し長めの文章も言えるようになった。
1年で:言い換え表現なども駆使して、英語で日常で起きるのほとんどの物事を表現できるようになった。
1年経つと、「伝えたいことが全く言えない」ということが無くなりました。私の場合、1年で日常会話レベルに達したと言えます!
また、まわりの英語学習者の話を聞いても、英会話の勉強を始めてから半年~1年で日常会話レベルに到達する人が多いイメージ。
もちろん、その時点の英語力、学習量、などによって、日常会話レベルに到達する時間は変わりますが、必要な学習期間は半年~1年と考えて問題ありません。
日常会話レベルを目指すなら、中学文法・語彙数3,000語をマスターしよう
次に、英語を日常会話レベルで話すために必要な文法レベルと語彙数を解説します。
日常会話レベルに必要な文法と語彙数は、下記の通り。
・文法:中学英語
・語彙数:約3,000語
日常会話レベルに必要な文法:中学英語
意外に思うかもしれませんが、文法は中学英語を話せれば大丈夫です。
日常会話に複雑な文法が使われることはありません。
また、中学校で学んだ簡単な文法も、いざ話そうとすると意外と難しいです。
中学で学んだレベルの文法を、会話の際に使いこなせるようになることが大切です。
おすすめの文法書は、「English Grammar in Use」です!詳細は、この後に紹介しています。
日常会話レベルに必要な語彙数:約3,000語
英語を日常会話レベルで話すためには、語彙数は3000語くらい必要です。
先ほど、CEFRのB1レベルが日常会話レベルに相当するとお伝えしました。
ですがCEFRの公式サイトでは、各レベルで必要な語彙数については明記されていません。
そのような中で、「Vocabulary size and the common European framework of reference for languages :語彙数とヨーロッパ言語共通参照枠 (CEFR)」という論文を発見。
その論文内で、CEFRのB1レベルに相当する語彙数は、約3,000語ということが分かりました。
以上のことより、英語を日常会話レベルで話すには、3,000語くらいの語彙力が必要だといえます。
ちなみに高校までに習う英単語も約3,000語です。習った単語を復習しつつ会話で使えるものにしていきましょう!
英語を日常会話レベルにするために行った学習方法
「日常会話レベルに必要な文法と語彙数は分かった!でも、実際どうやって勉強すればいいの?」
という方はいませんか?
英会話に特化した学習は学校では習わないことも多く、適切な学習方法が分からない人も多いです。
そこで、日常会話レベルなるまでに、私が行った英会話学習方法を紹介します。
私も、最初は学習方法が分かりませんでした。そのような英会話初心者方に向けて、1年の英会話学習の中で効果のあった学習だけを紹介します!
紹介する学習方法は下記の通り。
文法
文法学習は、文法書の「English Grammar in Use」1冊で大丈夫です。
English Grammar in Use
「English Grammar in Use」では、英会話学習に特化した学習が可能で英会話学習者の間ではかなり人気の文法書。
・イラストや図で文法を解説しているため、感覚的な英語が分かる
・ネイティブが見ても違和感のない例文が記載されている
・説明文が全部英語なので、効率的に英語を学べる
学習の際は、最初から読み進めていき、学んだ文法を実践の場で使うようにしてください。学んだ文法を「実際に使う」ことで効率的に英語の文法を習得できます。
また「English Grammar in Use」にはさまざまな種類がありますが、表紙が青色の「English Grammar in Use (中級)」を選べば大丈夫です。網羅的に文法が解説されていて、これで学習すれば文法で困る事はほぼなくなります。
英語がかなり苦手という方は表紙が赤色の「English Grammar in Use (初級)」から取り組んでください。
単語
英単語を覚える時のポイントは下記の2点。
・単語帳は使わない
・覚える単語は、1日15個まで
どちらも意外な方法かもしれませんが、いろいろ試して1番効率が良かったのが上記の方法です。
単語帳は使わない
英語を日常会話レベルで話すためには、単語学習に単語帳は使わないでください。
話せるようになるには、話したいと思って出てこなかった単語を個別に覚えていくのが効率良いです。
単語帳以外から覚えることで、使用頻度の高い単語から覚えることができます。
覚える単語は、1日15個まで
覚える単語は、1日15個までにしてください。
それ以上覚えると、細かい文脈まで勉強するのは難しいからです。
英語を話すための単語学習では、どのような場面で用いられる単語なのかも理解する必要があります。
覚える単語は15個程度に絞って、1つ1つの単語を深く理解し、英会話で使えるものにしましょう。
先ほど、日常会話レベルで英語を話すには、3,000語必要とお伝えしました。単純計算で、1日15個覚えていけば、200日で3,000語に到達します!
発音
英語の発音は日本人にとって馴染みのないものが多く、苦手としている人も多いですよね。
発音をよくするために有効な学習方法は、下記の2つです。
・英語を流し聞きする
・「英語耳」で発音方法を学ぶ
嬉しいことに、私はオンライン英会話で発音をほめられることが多いです。典型的な日本人発音から、褒められるまで発音が上達したのは、「英語の流し聞き学習」と「英語耳」のおかげです。
英語を流し聞きする
英語の流し聞きがおすすめの理由は2つあります。
・同じ単語を何度も聞くことで、発音を覚えられるから
・長し聞きで英語の抑揚をつかめるから
聞き流しは正しい方法でおこなわないと効果が感じられないこともあります。下記の記事では実際に効果を感じられた聞き流しの方法を紹介しています。ぜひ参考にしてください♪
英語の聞き流しは効果アリ!365日継続してリスニングが上達した勉強法を紹介
「英語耳」で発音方法を学ぶ
発音を上達させたい方に、かなりおすすめの参考書が「英語耳」。
「英語耳」は、英語の発音を口の動かし方から学習できる参考書です。
英語と日本語は、発音方法が全く異なります。
正しい発音方法を理解してから、発音練習に取り組むことで、正しい発音を身につけることができます。また、発音の上達スピードもかなり早くなります。
自分でもびっくりしたのですが、1通り読んだだけで、典型的な日本人発音から脱出できました!その後、口の動かし方を覚えるために、付属の練習CDに沿って3か月くらい学習を継続しました。
スピーキング学習
最後に、英会話力を上げるために1番重要なスピーキング学習についてお伝えします。
おすすめのスピーキング学習方法は下記の3つです。
各方法のメリットとデメリットは下記の通り。
どの方法でも良いので、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
ひとりごと
「ひとりごとって、どういうこと?」と思った方もいるかもしれません。
1人でいる時でも、ひとりごとを話すことでスピーキング学習ができるんです。
ひとりごとスピーキング学習の、メリットは下記の通り。
・内向的な性格でも取り組みやすい
・何回でも言い直して、練習できる
・今すぐ実践可能
私は人見知りな性格なのですが、ひとりごと学習では気を遣わずにスピーキング学習ができるので、ストレスなく続けることができています!「いきなり英語で人と話すのは勇気がいる…」という方にもおすすめの方法です。
オンライン英会話
オンライン英会話は、スピーキング学習の定番ですよね。
オンライン英会話のメリットは下記の通り。
・英会話初心者でも、講師がペースを合わせてくる
・対人で英会話の実践ができる
オンライン英会話は、「少し英語が話せるようになってきた」あたりで取り組むのがおすすめです。講師がこちらに合わせてゆっくり話してくれるので、初心者でも安心して学習できます!
ハロートーク
「さらに実践的なスピーキング学習がしたい」という方には、ハロートークもおすすめです。
ハロートークは、言語交換パートナーを見つけることができるアプリです。「日本語を学びたい英語ネイティブの外国人」とつながることで、英語を話す機会ができます。
アプリでは英語ネイティブとボイスメッセージ、通話などができるので、実践的なスピーキング練習ができます。
「オンライン英会話やひとりごと学習だけでは物足りない…」という英会話上級者におすすめのアプリです。
【まとめ】英語の日常会話レベルってどのくらい?学習方法・到達までにかかる時間も解説
本記事では、日常会話レベルはどれくらいなのか、日常会話レベルになるまでにかかる時間や必要な文法・語彙数、効果的な学習方法を解説しました。
英語を日常会話レベルで話せると、就職や転職でアピールできたり、海外の友達ができたりするなど、多くのメリットが得られます。
「英語が全く話せない」人でも、学習を継続すれば、英語が話せるようになるはず。
ご紹介した学習方法を参考に、英会話学習に取り組んでみてください!
・「日常会話レベルってどのくらい?」
・「日常会話レベルになるには、どれくらい時間がかかるの?」
・「英語が話せるようになる勉強方法は?」
・「本当に英語が話せるようになる?」